長崎のシンボル路面電車の会社を訪ねて〜長崎電気軌道見学記〜2014/12/06

西山梨緒

長崎市民の足を支えるケーブル

路面電車は長崎市民の足です。坂が多く、少ない平地にびっしり建物が並ぶ市街地では、電車が何よりの交通手段なのです。市民にとっては今も昔も心に浮かぶふるさとの情景でもあります。 一律120円というのも、気軽に乗れて嬉しいです。沿線には観光スポットもたくさんあって、観光客にとっても大変便利な移動手段です。
橋本興産は路面電車路線を営業する長崎電気軌道に長い間、ケーブルやランプなどを納入させていただいています。私自身、普段お客様に納めているケーブルが、実際にどのように使用されているのか分かっていないこともあって、知りたいなと思っていたところでした。今回、念願かなって実際の作業現場を見せてもらえることになりました!

電車の心臓部に納入したケーブルが!

早速、本社の隣にある車両工場へ向かうと、点検中の車両が出迎えてくれました。(図1)
工場に入ると、大きな製品に取り付けられたケーブルがすぐ目に飛び込んできました。(図2)。
近づいて確認すると、ケーブルは橋本興産が納めている商品です。商品名は「WL1」でした。
※Wl1の中で【メーカー:日立電線のMLFC】が使用されています。
WL1と言えば、耐熱性・難燃性・電気特性・可とう性(柔軟性)・耐寒性に優れています。何より車両用の規格を満たしたケーブルです。現場では、どのように呼ばれているんだろう?気になって聞いてみました。
作業員の方は普段は「22SQ(スケア)~、38SQ(スケア)~」とサイズだけを呼ぶそうです。ケーブル名については、特に意識されていないみたいです。それだけWL1というケーブルが鉄道・車両会社で当たり前に使用されているのですね。
作業員の方は、とっても優しく説明してくれます。WL1は路面電車のモーターの配線として使用していると、教えてくださいました。電車を動かす心臓部といえる部分に、橋本興産が納入しているケーブルが使われているなんて、何だか嬉しいなあ。

(図1)

(図2)

安全運行を支える作業員表情は真剣

工場の奥へ進むと、車輪と車体を点検する作業員の方々が見えました。(図3)
事故を未然に防ぐ目的で定期的に車両の点検・整備しているそうです。電車を安全に走行させるために損傷・不具合がないか、車輪一点一点を細かく確認しています。その表情は真剣です。
電車が安全で快適に運行できているのは、当たり前のことではないんだなぁ。作業員の方々の、普段の取り組みの積み重ねがあるから、とあらためて感じました。

(図3)

座面の温かさの正体は、座席下のケーブル!

特別に、点検中の車内の中も、案内してもらいました。やった~!
普段、電車で座っている座面が、何で温かいのだろうと思ったことはありませんか?実は何気なく座っている座席の下にもケーブルが使われているんですよ!

(図4)

座席の下に使用されているケーブルは「VCT-F」といった灰色のビニルのキャプタイヤコードです。ヒーターの電源用に使われています。(図4)。 当社でも、取り扱っているケーブルです。このケーブルは汎用性が高いので、いろいろな場所で使用されていました。例えば、ドアの開閉を行う時の電源線にもVCT-Fを使っていました。

ふるさとの情景を守る長崎電気軌道100年続く努力に感謝!

最後に。

全国各地で路面電車の姿が消えていく中、大正4年に走り始めた長崎の路面電車は、100年経った今でも変わらず、長崎市民の足として活躍しています。毎日たくさんの人を乗せ、休むことなく朝から晩まで走り回っています。本当にすごいことだと、思います。
市民のために頑張る、その堂々とした電車の姿は今や、長崎を語る上で欠かせない景色の一部です。そんな存在になったのも、安全、そして定時運行を心がけて運営する長崎電気軌道の皆様の並々ならぬ努力があったからなんです。日々の取り組みを取材で知り、自然と頭が下がりました。
取材の機会をいただいた長崎電気軌道の方々に、感謝を申し上げます。今回、地元のお客様の安心・安全の為、真剣に点検・整備をされる作業員の姿を、実際に見て知りました。そんな方たちを支えるため、私たちも迅速かつ丁寧に、高品質の商品を納入し続けたいと誓いました。

忙しく作業される中、丁寧に案内してくれた社員の皆様、大変ありがとうございました。